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柴野徹夫作・安斎育郎解説・向中野義雄画/中島篤之助・角田道生監修『増補版 まんが原発列島』大月書店、2011年4月

22年前の1989年5月に出版された本書は、福島原発事故後、増補版として緊急に復刊されました。本書は、22年前から原発震災の危険性を指摘した警告の書といえます。漫画はフィクションで、登場人物・団体は架空のものです。しかし、福島原発事故後に様々に報道される情報をつなぎ合わせて考えると、一概に“架空だ”と一笑に付すことはできません。「さもありなん」といった感じです。
物語は、1979年3月28日に起きた、アメリカ・ペンシルバニア州のサスケハナ川の中州に立つスリーマイル島原子力発電所の溶融事故と、その7年後のソ連ウクライナ地方にあるチェルノブイリ原発での実験事故から始まります。
 アメリカ政府は日本の総理に対し、原発の安全性についてのPR強化を指示し、総理は経団連とともに原発批判の世論対策として、徹底した安全PRでその流れを変えようとします。チェルノブイリ原発事故を受けて、業界紙の一人の女性が原発担当の記者を命じられます。
物語は、この女性記者(真央)を通して展開します。柴野徹夫は原発取材の中で実際に目撃・体験・実感したことを主人公の真央を通して、可能な限り事実に近づけて描き出したと述べています。
被曝作業、技師の死、原発下請け労働組合の結成、尾行、極秘の「原発新立地地点計画書」のスクープなども、そのままではありませんが、基本的に事実に基づいているそうです。
3月の作業員3名の被曝後、5月に入るとついに作業員が1人死亡する事故がありました。6月には緊急被曝量の上限250ミリ・シーベルトを超えた恐れのある作業員が計8人になりました。漫画では、高汚染区域に入るときに、赤い防護服に着替えて原子炉建屋内に入り、原子炉を洗うという場面があります。下は放射能の海で、落ちたら最期です。アラームが「ピーッ」となり、作業員がパニックになって、出口を探して走り回るシーンは、現在の現場で作業する人たちそのままではないかと想像できます。
地震で、福島原発で事故が起こる場面も、もはや現実のほうがずっとリアリティがあります。なぜなら劇画ドラマを凌ぐ現実を、私たち国民をすでにみてしまったのですから。
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